30坪の土地(99平方メートル)は、例えて言うなら「テニスコートの半分(コートの片面)」くらいの大きさです。
日本の住宅の平均坪数が、約38坪(平成30年度 総務省統計局)ですから、少し平均を割り込む面積になります。
この広さの土地でも、ひと工夫で快適な空間を生み出すことができます。
さっそく30坪の、「間取りづくり」のポイントを見ていきましょう。
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土地が30坪の間取り | 知って得するポイントや注意点
【土地が30坪の間取り】知って得する6つのポイント
土地が30坪の間取りに、快適な空間を設けるのに知っておくと良いポイントがあります。
- 吹き抜けによって縦方向に解放感を演出する
- 収納スペースはロフトや地下、床下を取り入れる
- スキップフロアで解放感の演出
- 壁を最小限にし、極力部屋の区切りをしない
- 地下室を設ける
◆吹き抜けによって縦方向に解放感を演出する
吹き抜けとは、1階の天井と2階の床をなくしたりして「複数階にまたいで繋げた空間」を言います。
特にリビングに吹き抜けを採用することで、天井が高く開放感ある空間にすることができます。
光を取り入れられる窓を配置することで、空間が明るく照らされることでしょう。
吹き抜けのデメリットは、温度と音、臭いです。
服抜けはどうしても、上の階に熱がこもり易いのと、西日による照りつけも避けたいところ。窓を配置する方角に注意しましょう。
また、キッチンや食卓の臭いや音も、吹き抜けを通じて上の階に伝わりやすくなります。
◆コンパクトな間取りに中庭の設置
中庭を取り入れるメリットは、採光とプライバシー、そして家族の団らん、癒し効果など沢山あります。
お風呂上りに中庭のハンモックの上で冷たいビールなど・・
最高のひと時ではないでしょうか。
狭小住宅に、中庭を提案するハウスメーカーは沢山あります。
コンパクトな土地では、建ぺい率の制約を気にしなければなりませんが、その点「中庭」スペースでは建ぺい率を気にすることはありません。
◆収納スペースはロフトや床下を取り入れる
収納スペースは、縦方向の空間を最大限活用しましょう。
どうしてもコンパクトなスペースで、最大限の生活空間を作ろうと思うと「縦方向」の活用が外せなくなります。
そこで多く用いられる方法はロフトです。
建築基準法の「容積率」では、ロフトのスペースは除外されます。
地下空間のデメリットととしては、湿度が上がりやすいこと、光を取り入れにくいこと、建築費が高くなることです。
◆スキップフロアで解放感の演出
画像引用元:style plus 名古屋 https://www.style–plus.jp/contents/?p=2137
スキップフロアとは、階層中間に設けるスペースのことです。
中二階の踊り場スペースが、部屋として機能しているようなイメージです。
多くの場合、極力部屋の区切りとなる壁を取り払い、床の高さを変えることで部屋の独立性を表現しています。
オシャレなイメージと、空間の解放感が高まります。
スキップフロアのデメリットとしては、壁などの区切りが少なくなるため吹き抜けと同様、温度、音、臭いなどが伝わりやすい事と、間取りによって耐震性が落ちる場合があります。
またスキップフロア部の天井の高さは、低くなる場合があります。
◆壁を最小限にし、極力部屋の区切りをしない
各部屋の区切りを少なくし、オープンな空間を創造できます。
また壁をスライド式にすることで、空間を自在に区切ったり開放したりする方法もあります。
ただ壁を少なくすることで、耐震構造的には弱くなる可能性があるので注意も必要です。
◆地下室を設ける
少々お金はかかりますが、地下室や半地下を設けて収納スペースにしたり部屋として活用する方法もあります。
地下は夏でも一定の涼しさを保ち、収納に向いていることから、日本では古くから「床下収納」が取り入れられてきました。
地下ガレージも人気が高い仕様です。
注意する点としては、地下空間は涼しいのですが、湿度は高くなりがちなので対策も必要です。
土地が30坪の間取りー注意点6つ
- 防音対策
- 建築基準法の制約
- 境界線と建物の間にエアコン室外機や、エコキュートのタンクなどのスペース確保を忘れなく
- 家具の出し入れを考慮
- 生活導線の想定(縦の移動が多い)
- 地震対策
◆防音対策
30坪の土地に家を建てる場合、住宅密集地では隣のお宅の壁と、自宅の壁が近くなるケースがあります。
その為十分な防音対策が必要となる場合があります。
とはいえ30坪の敷地面積いっぱいに、家を建てることは法律上できません。
民法234条では「建物は境界線から、50cm以上の距離を保つ」ことが義務付けられています。
それでもやはり、環境によってはお隣さんと近い壁にはなってしまいます。
◆建築基準法の制約
30坪の土地に建てる家に限ったことではありませんが、建物は法律の制約を受けて建てられます。
法律は、都市計画法、建築基準法、民法、各種条例など様々です。
ここでは、最低限知っておいた方が良い法律について紹介していきます。
法律 | 内容 |
建築基準法 | 建ぺい率と容積率の制約 土地の大きさによって、建てられる家の大きさを定めたもの |
都市計画法 | 土地によっては建物の高さ制限が定められている |
北側斜線制度 | 自宅から見て北側の住宅の、日当たりを阻害しないよう設けられた高さ制限 |
民法234条 | 建物は境界線から、50cm以上の距離を保たなければならない |
◆エアコン室外機や、エコキュートのタンクなどのスペース確保を忘れなく
コンパクトスペースの土地では、建物以外のスペースにも必要枠があることを忘れないようにしましょう。
エアコンの室外機、エコキュートを採用する場合のタンクの置き場などが必要です。
また生活のシーンでも、物置き、自転車置き場のスペース、駐車場など必要スペースは確保しなければなりません。
◆家具の出し入れを考慮
家が完成後、玄関から入れられない大きな家具は、窓などから入れるケースがあります。
万が一、敷地いっぱいに家を建てた場合、境界の塀と壁の間が狭く、家具を窓の下まで運べないケースが想定されます。
また何とか窓や玄関から大きな家具を入れられたとしても、廊下が狭かったりすると、目的の部屋まで運べなかったり。
そのような懸念を想定して、間取りを考える必要があります。
◆生活導線の想定(縦の移動が多い)
コンパクトな間取りの場合、生活導線は縦方向に動くことが多くなります。
おもい物を、階段を使って運ぶのは大変です。
家は一生もの。老後まで考えた生活導線を考える必要があります。
2階のベランダで洗濯物を干すのであれば、洗濯機置き場は2階が便利になり、バスルームも2階が良いかもしれません。
足腰が弱くなっても、負担が少ない導線を考えて間取りをつくる必要があります。
◆地震対策
コンパクトな居住空間を、ひろびろ開放的に見せる工夫として、スキップフロア、区切りの壁を少なくする手法を紹介しました。
しかし、壁が少ない建物はどうしても耐震強度が低くなってしまいます。
柱、梁(はり)、壁の3つによって、建物の耐震強度は高くなるからです。
見た目やファッション性に拘り過ぎるのは、実際の生活に支障をもたらす可能性もあることを考慮する必要があります。
コンパクトなスペースほど、設計士のセンスと経験が問われる
コンパクトなスペースの場合、間取りに取り入れられることは限られると思われがちです。
でも大事なことは、何を優先するか?です。
- ファッション性が大事?
- 機能性が大事?
- 耐震性が大事?
- 家族のコミュニケーションが大事?
- 癒しの空間性が大事?
どれも大事な側面ではありますが、優先順位をつけることで間取りの方向性決まってきます。
これらを設計士さんに伝えることで、間取りに希望が通りやすくなります。
しかし住宅メーカーを通すと、たいてい一人の設計士さんとしか関われません。
コンパクトなスペースの間取りでは、設計士の経験やセンスが顕著に表れます。
ハウスメーカーを決める前に、プロの設計士の間取りを比較することができます。
いえ、ハウスメーカーを決めていても、契約を結んでいなければ比較する価値はあります。
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